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コラム

2019年09月02日

保育園の運営。保育士が快適に働ける環境とは?

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厚生労働省の調査によると、全国の保育所等の待機児童数は2018年4月時点で19,895人、10月時点で47,198人です。4月以降は保育所の空き定員が少なくなるため、年度途中での入所が難しく、待機児童数は月ごとに増加していきます。2017年10月時点での数字と比較すると8,000人ほど待機児童数は減少しているものの、「保育所に入りたくても入れない人」はまだまだ大勢いることがわかります。

待機児童がなかなか減らない原因として、保育園不足、保育士不足があります。
政府では、「子育て安心プラン」を策定し、保育の受け皿の拡大、人材確保、保育の質の確保などさまざまな施策を進めていますが、保育園関係者の方々の中には、保育士不足をすぐにでも解消したいと日々お悩みの方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回の記事では、保育士が不足する理由と具体的な対策を通して、保育園運営を成功させるヒントをお伝えします。

保育士不足の原因は?

潜在保育士が多い保育士の現状。離職率は10.3%

保育士不足は多くの保育所が抱える共通の問題です。といっても、保育士の有資格者が少ないというわけではありません。

厚生労働省による2015年の「保育士等に関する関係資料」によると、2013年時点での保育所勤務の保育士数は約41万人、これに対して保育士資格を持ちながら保育所に勤めていない「潜在保育士」は70万人以上でした。

そうした潜在保育士の中には、いったんは保育所に就職したものの、何らかの事情で離職した人も含まれます。同資料によると、保育士の離職率は、公営保育所で7.1%、私営保育所で12.0%、全体で10.3%です。

人材不足解消のヒントは、保育士の不満の中にある

このように保育業界全体で深刻な人手不足が発生しているのはなぜでしょうか。それを知るヒントになるのが、保育業界に対して保育士が感じている不満です。同じ資料には、現在の職場に対する現役保育士からの改善希望が列挙されています。

上位5位までをピックアップした結果が以下です。

1)給与・賞与等の改善(59.0%)
2)職員数の増員(40.4%)
3)事務・雑務の軽減(34.9%)
4)未消化(有給等)休暇の改善(31.5%)
5)勤務シフトの改善(27.4%)

これらの改善希望からは、多くの保育士が特に報酬について不満を感じていること、また、事務作業や雑務に追われて十分な休暇を取れていないことが読み取れます。

保育士の仕事は、「未来を担う子どもたちを育てる」という非常にやりがいのある仕事ですが、業界全体が働きやすくならない限り、今後も保育士の増加は期待できないでしょう。

もちろん、国も「保育士確保プラン」として、人材育成や再就職支援、就業継続支援などのさまざまな取り組みを行っています。しかし、保育園の経営者、運営会社自らが、保育士不足に対して主体的に取り組む必要があります。

具体的な取り組みの内容については次の章で説明します。

保育士不足を解消するには?

保育士不足を解消するには、保育士が感じる不満やストレスをできるだけ減らし、働きやすい環境を作ることが不可欠です。保育士の不満の内容はさまざまですが、ここでは大きく分けて3つの要因と対策を取り上げます。

保育士の報酬(労働対価)を改善

先ほどの「保育士等に関する関係資料」では、保育士の半数以上となる59.0%が「給与・賞与等の改善」を希望しています。つまり、現在の保育業界の報酬は、保育士の労働対価として低すぎるというわけです。

実際、民間保育園では初任給で手取りが10万円ちょっとという人は珍しくなく、勤続数十年の主任クラスでさえ、手取りが20万円未満というケースもあります。公務員扱いの給料が支給される公立保育園は別として、民間保育園の多くで保育士が「給料が割に合わない」と感じているのも無理はありません。

こうした現状に対し、国や自治体もさまざまな対策を打ち出しています。たとえば、2019年度には給与を1%(月額約3,000円)引き上げ、2013年からの取り組みと合わせると約13%(月額約4万1,000円)の給与アップを目指すとしています。

また、技能・経験に応じて月額5,000〜4万円を上乗せする制度や、職場復帰する保育士に上限40万円の「就職準備金」や未就学児の保育料の一部を貸し付ける制度も用意されており、これらの制度や取り組みによって、保育士の報酬は少しずつ改善されつつあります。

とはいえ、国や自治体の制度だけでは不十分です。報酬が多少上がったところで、その他の労働条件が改善されなければ保育士は集まりません。そして、保育士が集まらなければ保育の質が上がらず、結果として利用者も集まりません。

国や自治体からの補助金が支給される認可保育園はもちろん、特に補助金のない認可外保育園にとって利用者の確保は死活問題です。保護者にとって魅力的な保育園となるためにも、保育士が働きやすい環境を整えていくことが必要不可欠といえるでしょう。

保育士のストレス解消(保護者への対応など)につながる体制・組織作りを

保育士は日々さまざまなストレスにさらされます。その一つが「保護者対応」です。いわゆる「モンスターペアレント」と呼ばれる人たちだけでなく、比較的普通の保護者からの要望も、特に経験の浅い若手保育士にとってはプレッシャーとなりかねません。

また、日々の保育業務に追われる中、不定期に発生する入園希望者からの問い合わせや見学への対応も保育士にとって負担となり、ストレスの原因となります。

こうしたストレスを軽減するには、先輩保育士からのフォローや保育士同士の適切な役割分担、保育士が保育に専念できる体制・組織作りが不可欠です。

業務軽減(ICTシステム導入)

保育士の業務を軽減するというのは、本来業務である「保育」以外の事務作業や連絡業務を効率化し、保育士の負担を減らすことを意味します。このことは「保護者対応のストレス軽減」にも役立つため、非常に重要です。

業務を効率化させる上で効果的なのが、保育園向けICTシステムの導入です。

保育園向けICTシステムというのは、PCやタブレット、スマホなどのIT機器とネットワーク環境を利用して、保育園内の事務作業や日々の保育作業、保育園や保育士と保護者とのコミュニケーションをサポートするシステムです。

ICTシステムの機能は開発・提供する会社によって多少の差がありますが、多くのICTシステムには以下のような機能が含まれています。

1)登園・降園管理…タッチパネルやICカードなどを利用して、保護者が子どもの登園・降園をワンタッチで登録できる機能です。日々記録される登園・降園データはシステムによって自動集計されます。

2)延長保育自動集計…アプリ上で保護者からの延長保育を受け付け、延長保育の自動集計まで行う機能です。電話対応の必要がないため、事務作業の手間を削減できます。

3)連絡帳機能…保護者と保育士との間でやりとりする連絡帳をアプリで作成・提出できる機能です。保護者にとっては忙しい時間の合間に記入ができる、提出忘れを防げるといったメリットがあり、保育士にとっても効率的に記録できる上、保護者とのコミュニケーションが密になるというメリットがあります。

4)書類作成…指導案などの書類を作成する際、テンプレートや過去の書類を参照することで作業効率を大幅に上げるサポート機能です。

5)掲示板機能…保育園からのお知らせを配信する機能です。紙のお知らせと比べて配布の手間がかからないだけでなく、重要なお知らせを保護者が読んだか確認したり、必要に応じて再配布したりすることも可能です。

その他にも、ICTシステムには保育士同士の連絡を円滑にしたり、運営者の管理業務を効率化したりするさまざまな機能が含まれています。もちろんICTシステムの導入には費用がかかりますが、国や自治体による補助金制度などを上手に活用すれば負担を最小限に抑えることができます。

これから保育園運営に参入する方はもちろん、現在保育園を運営していて、まだICTシステムを利用していないという方は、この機会にぜひ導入を検討してみてください。

まとめ

今回は、保育士が不足するさまざまな理由や、具体的な対応方法について説明しました。特に保育園向けのICTシステム導入は、保育業務を効率化して保育士の負担を減らし、結果として保育士を確保するための大きな助けになります。この記事の内容を保育園運営のヒントにしていただければ幸いです。

なお、保育園・幼稚園ICTシステム「KidsDiary」には、今回の記事でご紹介した機能はもちろん、その他さまざまなお役立ち機能を搭載しています。ICTシステムの導入をご検討の際は、ぜひ参考にしてください。

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