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コラム

2019年09月02日

保育士の補助金とは?待機児童解消のための保育士確保施策について

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保育業界は深刻な人材不足といわれています。政府は待機児童問題に終止符を打つべく、子育て安心プランの取り組みを行っていますが、2018年10月時点の調査によると、待機児童の数が最も多い東京で10,053人、全国合計では47,198 人となっています。

こうした状況を改善するために厚生労働省などが打ち出しているのが、保育士の給与改善や保育実技研修をはじめとする各種の取り組みです。今回の記事ではそれらの取り組みの全体像を説明するとともに、具体的な補助金制度や活用できるICTシステムについて説明いたします。

園の運営を安定化させて、より質の高い保育を提供するための参考にしてください。

人材育成や資格の取得を補助するための制度

待機児童を解消するためには、施設以外にも保育士の数を確保することが必要です。保育士や保育教諭の資格を取得するための支援や特例制度について説明します。

保育従事職員資格取得支援事業補助

保育園などに勤務または勤務予定の人が、保育士資格を取得するための「受講料」や「代替職員経費」などを補助するものです。

東京都が実施している制度で、支援対象は保育園などの施設になりますが、施設で働きながら補助が受けられるので、保育士数の底上げが期待されています。

保育士修学資金貸付制度(貸付)

保育士を養成する施設に在学し、保育園などへ就職を希望した上で、一定の条件を満たす人を対象とした「修学資金」や「入学準備金・就職準備金」などを2年間無利子で行う貸付制度です。

貸し付けを受けた対象地域で5年間保育士業務に従事すると返還が免除されるため、本気で保育士を目指す人にとって最適な制度といえるでしょう。

保育士資格取得特例制度

正式名称は「幼稚園教諭免許状をお持ちの方の保育士資格取得特例」で、「幼保連携型認定こども園」の促進を目的に、2015年度から2023年度末までの特例措置として設けられた制度です。

「幼保連携型認定こども園」の職員(保育教諭)となるには「幼稚園教諭免許」と「保育士資格」の両方が必要です。この制度では幼稚園教諭免許または保育士資格のどちらかを持ち、幼稚園や保育園など該当の施設で幼稚園教諭か保育士として「3年かつ4,320時間以上」の実務経験を積んだ人に対して、取得に必要な単位数などの特例が認められます。

また、幼稚園教諭免許を持つ人が保育士資格を取得するための補助金として「保育対策総合支援事業費補助金」、保育士資格を持つ人が幼稚園教諭免許を取得するための補助金として「教育支援体制整備事業費交付金」などもあります。

すでに幼稚園教諭免許や保育士資格を持っていることが前提ですが、幼保連携型認定こども園への就職を希望する人にとっては便利な制度でしょう。

保育士養成施設に対する就職促進支援事業

保育士を養成する施設を対象とした制度で、卒業する学生の就職を促す取り組みに積極的な施設に、保育園などへの就職内定率に応じた就職促進のための費用を助成します。

この制度を利用する養成施設が増えることで、保育園などに就職する人の増加が見込まれ、すべてにとって有益になる制度といえます。

就業や雇用継続を支援して離職率を下げる制度

保育士の離職率を下げることも、人材確保のための重要なポイントです。ここでは保育士の雇用継続を狙いとした制度について説明します。

保育補助者雇上支援事業(貸付)

保育園などに向けて、保育士のサポートを行う保育補助者を雇うための3年間無利子で行う貸付制度です。

保育補助者の導入により保育士の負担軽減と離職防止が狙いですが、保育補助者が貸付期間中に保育士資格を取得したり、貸付期間終了後1年以内に取得が見込まれたりする場合は返還が免除されます。

保育士の給与改善

保育士の処遇改善のため、保育園などに向けて保育士の給与を支援する「保育士処遇改善等加算」という取り組みです。

補助金の支給額は年々アップしており、2013年から2019年まで累計で約13%(月額41,000円程度)の増額を達成してきました。

再就職や働く環境を整えるための制度

出産や子育てといった理由で離職した人や、資格は取ったものの保育士として働いていない「潜在保育士」の就職を支援することも、保育士の確保につながります。ここでは、保育士の資格を所持している人が、保育士として就職や再就職するための支援制度について説明します。

職場復帰のための保育実技研修

ブランクがあるために保育士としての再就職に不安を感じている人を対象に実技研修を行う制度です。

各都道府県に最低1カ所以上ある「保育士・保育所支援センター」を利用して、専門の保育人材コーディネーターから再就職の相談や就職の仲介、実技研修を受けることができます。

潜在保育士就職準備金貸付制度

保育士登録後1年以上経過するなど、一定の条件を満たす保育士が職場に復帰する際、「就職準備金」として1人1回最大40万円の無利子で行う貸付制度です。2年間保育士として就労した場合は返還が免除されるため、長期に渡り保育士として勤務する人にとって有利といえます。

未就学児をもつ保育士の子供の保育料の一部貸付(貸付)

未就学児がいる保育士が職場に復帰する場合に、保育料の半額(月額27,000円以内)を1年間無利子で行う貸付制度です。区域内の保育所などに2年間保育士として就労した場合は返還が免除されます。

未就学児をもつ保育士の子供の預かり支援事業利用料金の一部貸付(貸付)

未就学児がいる保育士が、預かり支援(ベビーシッターなど)を利用して職場に復帰する場合に、預かり料金の半額(年間123,000円以内)を1年間無利子で行う貸付制度です。2年間保育士として就労した場合は返還が免除されます。

職場環境を改善するための制度

保育士の職場環境を改善・向上させることは、新規の保育士雇用や離職防止、再雇用のすべてにプラスの影響を与えます。ここでは、保育業界の環境改善を目的とした制度について説明します。

保育従事職員宿舎借り上げ支援事業

保育園などが保育士用の宿舎として不動産を借りる際に、一部を補助する制度です。具体的には一戸あたり月額82,000円を上限として、国、市区町村、事業者が一定の割合で経費を負担します。

都道府県によって経費の負担割合が変わることがあるため、利用する際は施設のある都道府県への確認が必要です。

保育士等キャリアアップ補助

保育園などにキャリアアップの仕組みを作るため、中堅の役職を増やして職務や職責に応じた処遇改善の支援を行うための制度です。

従来のキャリアアップが保育士→主任保育士→園長という仕組みだったのに対し、新しい制度では保育士と主任保育士の間に「副主任保育士」や「職務分野別リーダー」など中堅の役職を作り、役職に応じて月額5,000~40,000円が給与に加算されます。園に補助されるため分配方法は、職員育成や配置計画に応じて柔軟に分配することができます。

この制度を利用して新たな役職に就くためには指定のキャリアアップ研修の受講と修了の評価を受ける必要がありますが、一度修了すれば転職時や離職後の復職時にも有効です。また研修の終了証は全国で通用するため、県外へ転居した後に再就職する場合も有利となります。

保育園でのICT(情報通信技術)の活用による書類作成業務の省力化を支援

保育園・幼稚園ICTシステムの導入を促進することで、事務業務の効率化と保育の質の向上を支援する制度です。補助金額や要件などは年度や実施主体(厚生労働省、文部科学省、経済産業省など)によって異なるため、利用を検討する際はサービスを提供している事業者に問い合わせることをおすすめします。

※関連記事「保育士の補助金や助成制度は?自治体で実施している支援について」はこちら

なおKidsDiaryでは、東京都の「保育園等ICT化推進事業」補助金、厚生労働省の「職場意識改善助成金」、文部科学省による「園務改善のためのICT化支援」に対応してきた実績があります。
最新の補助金・助成金制度への対応状況についてお知りになりたい場合は、ぜひお問合せください。

まとめ

今回は、保育業界の人材確保を目的とした厚生労働省などが支援している制度について説明しました。
人材育成、就業継続支援、再就職支援、職場の環境改善など、保育士の数を確保するためにさまざまな制度が設けられていることがお分かりいただけたかと思います。これらの中から自分の園に合ったものを見つけ、活用するためのぜひ参考にしてください。

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